OBAKE HUNTER GIRLISH #1  『壺中煉獄』 - The Infernal Biotope -

​六、一必殺

 二重羽々斬剣(フタエノハバキリ)
それは永の持つ最強の武器にして、名匠アルハ髄(ずい)による最後の『神形剣(カミナリノツルギ)』だ。
 
アルハの遠い先祖である髄は、神器の伝承を元にそれを複製し、さらに性能を拡張することができた。 そして二重羽々斬剣は、その最終遺作にして最高傑作とされている業物である。
神話の時代にスサノオがヤマタノオロチを斬ったとされる神剣をモデルとして、 その退魔性能を二倍まで引き上げている。
 
かつて永は話してくれたことがある。
「オバケが人のココロから生まれるものだってのは、楽運も知ってるだろ」
だからオバケは人間より強く、人間より尊いのだと。
無論、感情が物質を凌駕するのは常識だ。
少なくとも、この世界では。
今でこそ感情をエネルギーに変換する技術は確立されているが、 髄はそれより遥か以前から、刀匠の神髄を極めることでそこに至っていたのだ。
ココロを力に変え、ココロを絶つ道具。
それを、誰よりも自由なココロを持つ永が遣う。 ――無敵であるのは道理だ。
 
「さぁて! 遊戯(しごと)の時間は終わり!」
 
魂の厚みなど、永の前には紙も同然。 あわれ、山の怪は一刃の下に、散ったのでありました。
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