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OBAKE HUNTER GIRLISH #2 

『桜金滅鬼』 - The Blade of Full Petal Jacket -

​五、直邁進

 業を煮やした桜牙(オーガ)たちが強襲をかけてくる中、わたしは桜並木を駆ける。
二振りの妖刀を煌かせながら。

『出蛭(デビル)』と『入蛭(イビル)』
蒼と緋の燐光を放つ双妖刀も、花を愛でたりなどしない。
生み出されてから常に二つで一つの番(つがい)である
この刀が求めるのは、オバケの血だけだ。

 人気(ひとけ)を集めるために請われた偽の客を、「サクラ」という。
ただ騒ぐだけの敵などものの数ではない。
超高温と長射程を持つわが得物の前に、多くの桜牙(オーガ)が絶命した。
しかし、ただの植物、ただの生き物であるサクラに、
ほんの少しだけオバケの匂いが混じっている。

そしてわたしは辿り着く。

それは巨石だった。
いびつに歪み、風化し、ただただ旧(ふる)いだけの岩だった。

――口惜しや、この醜さが恨めしや

美しさで人を惑わす桜とは逆に、
その醜悪さで自分自信を滅せんとするかのような岩塊。

それが大地を揺るがしながら屹立する。
探し求めていたオバケを前にして。
わたしの心は初めて色めき立つ。
その魂を斬り殺す瞬間を想像し、
わたしはじぶんの頬が紅潮するのを感じた。

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